平成29年度補正「事業承継補助金」

「事承継補助金」とは?


日本の中小企業の抱える問題の一つとして「事業承継の問題」があります。日本の中小企業経営者の高齢化が進む中、会社経営を引き継ぐ後継者がいない為に事業の継続を断念し、どんなに優れた技術を持っている企業であっても廃業を余儀なくされるというケースが増えてきています。

このような状況を打開し、後継者に事業を引き継ぐ「事業承継」を円滑に進めていくために役立つのが、この「事業承継補助金」制度です。

「事業承継」に関する現状


「事業承継」の必要性

2018年中小企業白書によると、1995年の経営者年齢のピークが47歳であったのに対し、2015年の経営者年齢のピークは66歳となっています。また、2017年に休廃業・解散した企業の経営者年齢を見てみると、「70代」「80代以上」の割合が高く、全体のほぼ50%を占めています。そして、経営者の年代別に後継者の有無を見てみると、60歳以上の経営者のうち48.7%が後継者不在という状況にあります。

このような中小企業の中には、高い技術力を誇り、高品質のサービスを持った企業も多く含まれています。後継者不在のために事業継続を断念するというような事態を減らすためにも、事業承継を円滑に進める施策として「事業承継補助金」が存在しています。

「事業承継」に対する支援体制

中小企業の「事業承継」に対する支援のため、国によって各都道府県に「事業引継ぎ支援センター」が設置され、「事業承継」に関する相談などの各種支援を行っています。

平成29年度は「M&A」を中心とした「第三者承継」に対する支援が中心でしたが、平成30年度からは、「親族内承継」「従業員承継」に対する支援も強化されています。

 

大分県事業引継ぎ支援センター

 

また、「事業承継」に関する情報発信として、「事業承継ポータル」というWebサイトも中小企業基盤整備機構によって開設されています。

平成29年度補正事業承継補助金の内容


現在公募中となっている「平成29年度補正事業承継補助金」は、事業承継の進め方に応じて2つのタイプに分けることができます。

事業承継を進める際には、経営者の親族が後継者として事業を引き継ぐ「親族内承継」、経営者の親族以外の従業員が後継者となる「従業員承継」、親族や従業員に適任者がいないため社外の第三者が経営権を引き継ぐ「第三者承継」があります。「第三者承継」は企業の合併・統合(M&A)が含まれます。

「平成29年度補正事業承継補助金」では、「親族内承継」や「従業員承継」、外部からの後継者招聘による「経営者交代」による事業承継を支援する「Ⅰ型:後継者承継支援型」と、事業の統合・再編による事業承継を支援する「Ⅱ型:事業再編・事業統合支援型」があります。

 

詳細はこちらのサイトからも確認できます。

Ⅰ型「後継者承継支援型」

Ⅰ型「後継者承継支援型」では、経営者の交代に伴って経営革新等の新しい取り組みを行う事業者を支援します。この類型での対象となる取り組みは、具体的に次のようなものが該当します。

補助対象事業

次のような形態の事業承継であること

  1. 法人における退任、就任を伴う代表者交代による事業承継
  2. 個人事業における廃業、開業を伴う事業譲渡による承継
  3. 法人から事業譲渡を受け、個人事業を開業する承継

 

次に挙げるような取組みを伴うものであること

  • 新商品の開発又は生産
  • 新役務の開発又は提供
  • 商品の新たな生産又は販売の方式の導入
  • 役務の新たな提供の方式の導入
  • その他の新たな事業活動で販路拡大や新市場開拓、生産性向上等、事業の活性化につながる取組

募集対象者

○日本国内で事業を営む中小企業・小規模企業者等、個人事業主、特定非営利活動法人(以下、「中小企業者等」という)であること

○地域経済に貢献している中小企業者等であること

○承継者が、次のいずれかを満たす(事業)者であること

  • 経営経験がある
  • 同業種に関する知識などがある
  • 創業・承継に関する研修等を受講したもの

補助対象経費

  • 人件費
  • 設備費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 委託費
  • 広報費
  • 知的財産権等関連経費
  • 謝金
  • 旅費
  • 店舗等借入費
  • 会場借料費
  • マーケティング調査費
  • 申請書類作成費用

 

事業所の廃止や既存事業の廃業・集約を伴う場合は、次の経費も補助対象となります。

  • 廃業登記費
  • 在庫処分費
  • 解体費・処分費
  • 原状回復費

補助率・補助上限額

事業所や既存事業の廃止等を伴う場合は、補助額が上乗せとなります。

事業規模 補助率 補助上限額 上乗せ額
小規模企業者、従業員数が小規模企業者と同じ規模の個人事業主(※) 2/3以内 200万円 300万円
上記以外 1/2以内 150万円 225万円

※小規模企業者とは、中小企業基本法第5項に規定する従業員20人以下(商業(卸売業・小売業)・サービス業は5人以下)の事業者

募集期間

平成30年7月3日(火)~ 平成30年8月17日(金)当日消印有効

電子申請については平成30年8月18日(土) 締切

 

現在2次公募が行われています。

補助事業期間

交付決定日〜平成30年12月31日

平成27年4月1日から補助事業期間完了日までの間に中小企業者等の事業承継を行う必要があります。

Ⅱ型「事業再編・事業統合支援型」

Ⅱ型「事業再編・事業統合支援型」では、事業の再編や事業統合に伴って経営革新等の新しい取り組みを行う事業者を支援します。この類型での対象となる取り組みは、具体的に次のようなものが該当します。

補助対象事業

次のような形態の事業承継であること

① 法人における退任、就任を伴う代表者交代による事業承継

承継者が対象法人の議決権の過半数を取得し、かつ、個人事業主として既に他の事業を営んでいる場合

承継者が対象法人の議決権の過半数を取得し、かつ、他の法人の議決権の過半数を取得している場合

(上記以外の場合はⅠ型の対象であり、Ⅱ型では対象外)

 

② 個人事業における廃業、開業を伴う事業譲渡による承継

承継時において、承継者が個人事業主として既に他の事業を営んでいる場合

承継時において、承継者が他の法人の議決権の過半数を取得している場合

(Ⅱ型の補助対象は、個人事業における事業譲渡による承継のうち、上記のいずれかに該当する場合)

 

③ 法人から事業譲渡を受け個人事業を開業する承継

承継時において、承継者が個人事業主として既に他の事業を営んでいる場合

承継時において、承継者が他の法人の議決権の過半数を取得している場合

(Ⅱ型の補助対象は、法人から事業譲渡され個人事業を行う承継のうち、上記のいずれかに該当する場合)

 

④ 法人間における事業の引継ぎを行う事業承継

合併/会社分割/事業譲渡/株式交換・株式移転/株式譲渡のいずれかにより事業の引継ぎが行われる場合

⑤ 個人事業主における廃業を伴う、個人事業主から法人への事業譲渡による承継

事業承継対象期間内(平成27年4月1日~平成30年12月31日)に、個人事業主における事業譲渡による承継が行われるものであり、上記期間中に承継者である個人事業主が法人化した(予定を含む)場合は、上記⑤パターンで申請可能

 

次に挙げるような取組みを伴うものであること

  • 新事業分野への挑戦
  • 既存事業分野における新市場開拓
  • 既存事業分野における生産性向上

※経営革新等を伴わない単純な事業再編・事業統合は含まない。

募集対象者

○本補助金の対象事業となる事業再編・事業統合に関わる“すべての被承継者”と“承継者”が、日本国内で事業を営む中小企業・小規模企業者等、個人事業主、特定非営利 活動法人(以下、「中小企業者等」という)であること

○地域経済に貢献している中小企業者等であること

○承継者が現在経営を行っていない、又は、事業を営んでいない場合、次のいずれかを満たす者であること

  • 経営経験がある
  • 同業種に関する知識などがある
  • 創業・承継に関する研修等を受講したもの

補助対象経費

  • 人件費
  • 設備費
  • 原材料費
  • 外注費
  • 委託費
  • 広報費
  • 知的財産権等関連経費
  • 謝金
  • 旅費
  • 店舗等借入費
  • 会場借料費
  • マーケティング調査費
  • 申請書類作成費用

 

事業所の廃止や既存事業の廃業・集約を伴う場合は、次の経費も補助対象となります。

  • 廃業登記費
  • 在庫処分費
  • 解体費・処分費
  • 原状回復費

補助率・補助上限額

事業所や既存事業の廃止等を伴う場合は、補助額が上乗せとなります。

応募申請の内容 補助率 補助上限額

廃棄費の最大上乗せ額

(上乗せ後の補助上限額)

採択上位 2/3以内 600万円

600万円(1,200万円)

上記以外 1/2以内 450万円 450万円(900万円)

募集期間

平成30年7月3日(火)~ 平成30年8月17日(金)当日消印有効

電子申請については平成30年8月18日(土) 締切

補助事業期間

交付決定日〜平成30年12月31日

平成27年4月1日から補助事業期間完了日までの間に中小企業者等の事業承継を行う必要があります。

まとめ


現在公募中の「事業承継補助金」は、事業承継の進め方によって2つの類型があります。そのため、自社が取り組んでいる事業承継にあった申請類型を確認して申請手続きを行う必要があり、注意が必要です。

事業承継に関する問題は「大廃業時代」とも言われるように、日本経済の大きな課題となっています。BIZサポひたでご支援している日田市内の事業者様でも、どのように事業継続していくかが問題となっているところがあります。

事業承継は、今後の事業継続のためにも早めに取り組みを始めて計画的に進める必要があります。

少しでも気になることがあれば、まずはBIZサポひたまでご連絡下さい。一緒に「事業承継」について考えていきましょう。